玄関や勝手口、リビングの掃き出し窓で活躍するアコーディオン網戸。蛇腹のネットが破れたり開け閉めが引っかかったりして、「そろそろ張り替えかな」と調べ始めた方がまず戸惑うのが、費用情報の分かりにくさです。

実は、アコーディオン網戸はネットを蛇腹に畳む特殊な構造のため、普通の網戸のように網だけを自分で張り替えることが基本的にできません。そのぶん費用の考え方も、押さえゴム式の張り替えとはまったくの別物になります。

この記事では、業者修理や本体交換にかかる費用相場と、出費をできるだけ抑えるコツを整理しました。見積もりを取る前の判断材料として活用してください。

この記事で分かることは次の4つです。

  • アコーディオン網戸と普通の網戸の構造の違い
  • 業者修理・本体交換それぞれの費用相場
  • ホームセンターの張替えサービスが使いにくい理由
  • 張り替え費用をできるだけ抑える具体的な方法

それでは順番に見ていきましょう。

アコーディオン網戸の張り替え費用と修理の相場

はじめに、アコーディオン網戸がなぜ普通の網戸と同じ感覚で張り替えられないのか、実際にいくらかかるのかを整理します。相場を知っておくだけで、届いた見積もりが高いのか妥当なのかを自分で判断できるようになります。

普通の網戸とアコーディオン網戸の構造比較

アコーディオン網戸と普通の網戸の構造の違い

アコーディオン網戸は「プリーツ網戸」とも呼ばれ、ネットをじゃばら状に折り畳み、横に張ったコードで形を保つ構造になっています。玄関の後付け網戸や、収納式の窓用網戸によく採用されているタイプです。

一般的な引き違い網戸は、枠の溝にネットを載せて押さえゴムで固定しているだけなので、ゴムを外せば誰でも網を交換できます。材料はホームセンターや100円ショップでもそろい、自分でやれば数千円程度で済むのが普通です。やり方は網戸の張替えは100均でできる?やり方を解説!で紹介しています。

一方のアコーディオン網戸は、ネットとコード、巻き取り部品が一体で組み上がっており、網だけをきれいに外して張り直すことが構造的にできません。メーカー自身が「ネットのみの交換はできません」と案内している製品も多くあります。

つまり「網戸の張り替え」という同じ言葉でも、アコーディオン式では実質的に業者修理・部品交換・本体交換のどれかを選ぶ話になります。この前提を知らずに普通の張替え料金を想像していると、見積もり金額に驚くことになってしまいます。

自宅の網戸がどちらのタイプか迷ったら、ネットの見た目でほぼ判断できます。網が一枚の平面で張られていれば押さえゴム式、細かい山折りと谷折りが連続してじゃばらになっていればアコーディオン式です。玄関の引き戸用や収納式の縦すべり出し窓用として後から取り付けられた網戸は、ほぼアコーディオン式だと考えて差し支えありません。タイプが分かれば、探すべき料金情報も自然と絞り込めます。

業者に修理を頼んだときの費用相場

サッシ業者や網戸修理業者にアコーディオン網戸の修理を依頼した場合、費用は25,000〜55,000円前後が相場とされています。暮らしのトラブル情報をまとめているEPARKくらしのレスキューでも、この価格帯が目安として紹介されています。

金額に幅があるのは、症状によって作業内容が大きく変わるからです。じゃばらネットの交換なのか、コードの張り直しなのか、フレームのゆがみ調整まで必要なのかで、部品代も作業時間も変わってきます。網戸のサイズが大きい玄関用は、その分高くなる傾向があります。

ここに出張費や古い部材の処分費が加算される会社もあるため、電話やメールの段階で「見積もり無料か」「出張費込みか」を確認しておくと安心です。金額だけ聞いて即決せず、内訳を出してもらいましょう。

なお、修理の依頼先は網戸専門店のほかにガラス店やサッシ店、リフォーム会社など複数の業態があります。同じ症状でも会社によって数千円から1万円以上の差が出ることがあるため、時間が許すなら2〜3社に相見積もりを取るのが安心です。急ぎでなければ、繁忙期を外すだけで対応が丁寧になることもあります。

症状別の費用イメージを表にまとめると次のようになります。

対処の内容 費用の目安 主な依頼先
レール清掃や調整で直る軽症 数千円程度から 自分または業者
ネットやコードなど部品交換をともなう修理 25,000〜55,000円前後 サッシ業者・メーカー
DIY用の本体に自分で交換 本体1万円前後から ホームセンター・通販
業者施工で本体ごと交換 3万円を超えることも サッシ業者・工務店

修理内容ごとの費用目安の一覧

ホームセンターの張替えサービスは対象外が多い

「網戸の張り替えならホームセンターが安い」というイメージを持っている方は多いはずです。実際、押さえゴム式の網戸なら持ち込み1枚数千円ほどで張り替えてくれる店舗が多く、DIYの相場情報をまとめたRESTAの網戸価格ガイドでも手頃な価格帯が示されています。

ところがアコーディオン網戸は、この定番ルートがほぼ使えません。じゃばらネットは専用部材で、押さえゴム式の張替え設備では対応できないため、店頭の張替えサービスでは対象外とされるケースが大半です。

ホームセンターでの取り扱いは、張り替えではなくDIY用のプリーツ網戸本体や、汎用の後付け網戸の販売が中心になります。売り場で相談すると「本体交換をおすすめします」と案内される流れが一般的です。

どうしても近くの店舗で済ませたい場合は、持ち込む前に電話で「プリーツ網戸のネット交換に対応しているか」を確認してください。対応不可なら、メーカー修理か網戸専門業者に切り替えた方が早く解決します。

ちなみに、出張タイプの網戸張替えサービスも、料金表は押さえゴム式が前提になっていることがほとんどです。ウェブサイトに「プリーツ網戸・アコーディオン網戸は別途見積もり」と小さく注記されているケースが多いので、申し込み前に適用条件まで読み込んでおくと、当日になって断られる二度手間を防げます。

メーカー純正ネットへの交換と本体交換の価格

プリーツ網戸の大手メーカーであるセイキグループの製品には、「網交換タイプ」として設計されたシリーズがあります。この場合、セイキグループの公式サイトから専用の交換用ネットを取り寄せて交換する道が用意されています。

注意したいのは、専用ネットを注文できるのは網交換タイプを購入していた場合に限られる点です。自宅の網戸が対応品かどうかは、フレームに貼られた品番ラベルで確認できます。品番が分かれば、メーカーの相談窓口で部品供給の有無まで教えてもらえます。

網交換タイプでない製品や、品番が古くて部品が終了している場合は、本体ごとの交換が現実的です。DIY用のプリーツ網戸なら本体価格1万円前後から販売されており、サイズが合えば自分で取り付けることも可能です。

業者に施工まで任せる場合は、本体代に取り付け工賃と処分費が加わり、3万円を超えるケースも珍しくありません。古い網戸の撤去が必要かどうかで金額が変わるので、見積もり時に現状を写真で伝えると話が早く進みます。

YKK APやLIXIL、三協アルミといったサッシメーカーの収納網戸も、部品の供給はメーカーの相談窓口経由が基本です。純正部品には供給期限があり、生産終了から年数がたつと入手できなくなります。設置から10年近い製品は、修理を考え始めた段階で早めに品番を照会しておくと、選べる手段を確保しやすくなります。

アコーディオン網戸の張り替え費用を抑えるコツ

相場が分かったところで、次は出費を1円でも減らすための考え方です。症状の見極めと選択肢の広げ方しだいで、支払う金額は大きく変わってきます。

張り替え費用を抑える判断フロー図

自分でできる手入れとできない修理の線引き

アコーディオン網戸の不調は、実は「汚れ」が原因のことも多くあります。レールに砂やほこりがたまると開閉が重くなり、無理に動かすうちにネットやコードを傷めてしまうという悪循環です。

レールの掃除、蛇腹ネットのほこり払い、コードのゆるみの目視確認までは自分で安全にできます。小さな穴なら、市販の網戸補修シートを貼る応急処置も有効です。動きが固いときに力まかせに引っ張るのは厳禁で、コードが切れると一気に修理コースへ進んでしまいます。

自分でできる手入れのチェックリスト

反対に、ネットの交換、コードの張り直し、フレームのゆがみ修正は個人では手に負えない領域です。分解した結果、元に戻せなくなって本体交換になったという失敗談は珍しくありません。

掃除のために網戸まわりを一度外したい場合は、玄関網戸の取り外し方法は?図解でコツを解説!の手順が参考になります。外せる範囲の清掃だけでも、動きがかなり軽くなることがあります。

手入れの頻度は、砂ぼこりの多い立地なら月に1回、それ以外でも季節の変わり目に1回が目安です。日常のひと手間でネットとコードの寿命が延び、張り替えや修理の回数そのものを減らせます。費用を抑えるいちばんの近道は、実は壊さない使い方の積み重ねだったりします。

修理と本体交換どちらが得かの判断基準

見積もりを取ったら、修理費と本体交換費を並べて比べてみてください。判断の軸はシンプルで、修理費が本体交換の総額に近いなら交換を選ぶのが基本です。

たとえば修理に4万円かかる見積もりが出たとします。同サイズの新品を業者施工で入れても3万円台で収まるなら、古い本体を直すより新品に替えた方が、その後の故障リスクまで含めてお得です。

使用年数も重要な材料になります。設置から10年前後たった網戸は、ネット以外の可動部品も同時に弱っていることが多く、直した箇所とは別の場所がすぐ壊れることがあります。10年選手なら修理より交換に軸足を置くのが無難です。

すでに廃番になっていて交換部品の供給が終わっている製品も、無理に部品を探すより現行品への交換が確実です。品番ラベルを控えてメーカーに部品供給の有無を確認し、供給終了なら交換一択と割り切りましょう。

見積書を比較するときは、合計金額だけでなく保証の有無も確認してください。施工後の保証が付く業者なら、多少高くても安心料込みで妥当なことがあります。逆に極端に安い見積もりは、出張費や処分費が別建てになっていないか、内訳のチェックが欠かせません。

別タイプの網戸へ切り替えて費用を下げる

「アコーディオン式にこだわらない」という発想も、費用を抑える有力な選択肢です。プリーツ網戸の交換に3万円以上かかる場面で、開き網戸や上げ下げ網戸への切り替えなら1万円ほどで済んだという施工例も紹介されています。

アコーディオン式は収納性に優れる一方、構造が複雑で修理費が高くつきやすいタイプです。使う場所によっては、構造がシンプルで将来の張り替えも自分でできるタイプに替えた方が、長期的な維持費はぐっと下がります。

玄関に取り付けられる網戸には、プリーツ式のほかにロール式やパネル式などの種類があり、それぞれ価格帯と使い勝手が異なります。種類ごとの特徴と口コミは玄関網戸の引き戸を後付けする口コミは?選び方を解説!で詳しくまとめています。

風通しを確保したい時期だけ使うのか、一年中出入りのたびに開け閉めするのかで、最適なタイプは変わります。壊れたタイミングは、暮らし方に合わせて網戸を選び直すチャンスでもあります。

マンションなどの共同住宅では、玄関ドアの外側が共用部にあたるため、網戸の新設や交換に管理組合の承認が必要になる場合があります。戸建てなら自由度は高いものの、ドアの形状や開き方向によって取り付けられるタイプが限られます。購入前の採寸と適合確認だけは、面倒でも丁寧に行ってください。

設置場所の間口が特殊なサイズの場合は、オーダー対応の製品を選ぶ手もあります。既製品より価格は上がるものの、隙間なく取り付けられるため、虫の侵入を防ぐという本来の目的を確実に果たせます。

アコーディオン網戸の費用のよくある質問

ここからは、アコーディオン網戸の張り替えを検討している方から特によく挙がる疑問に、簡潔に答えていきます。

網が少し破れただけなら応急処置できますか

数ミリから数センチ程度の穴なら、市販の網戸補修シートを両面から貼る応急処置で虫の侵入はある程度防げます。100円ショップやホームセンターで手軽に購入でき、貼るだけなので特別な工具も不要です。

ただし蛇腹ネットは開閉のたびに折り畳まれるため、平面の網戸よりシートがはがれやすいのが弱点です。あくまで一時しのぎと考え、破れが広がる前にメーカーや業者への相談を検討してください。放置して破れが大きくなるほど、選べる手段が減って費用も上がりがちです。

補修シートを貼るときは、ネットの汚れを落として乾かしてから貼ると持ちがよくなります。蛇腹の折り目をまたがない位置を選ぶのも、はがれにくくするコツです。

賃貸の網戸が壊れたらどこに相談しますか

賃貸住宅の場合は、自分で業者を手配する前にまず管理会社か大家さんへ連絡するのが鉄則です。網戸は建物の設備扱いになることが多く、勝手に修理や交換をすると費用を負担してもらえないことがあります。

経年劣化による故障なのか、入居者の不注意による破損なのかで、費用をどちらが持つかの扱いは契約内容によって変わります。連絡の際は、破れやゆがみの状態をスマホで撮影して送ると、話がスムーズに進みます。

退去時のトラブルを避ける意味でも、連絡した日時と内容は簡単にメモを残しておくと安心です。自然損耗の扱いは物件ごとに異なるため、自己判断で話を進めないのが結局いちばんの近道です。

張り替えや交換の目安は何年くらいですか

網戸のネットの寿命は、一般的に5〜10年程度とされています。直射日光や風雨にさらされる場所ほど劣化は早く、ネットが硬くなって触るだけでボロボロと崩れるようなら替えどきです。

アコーディオン網戸の場合は、ネットよりも先にコードや可動部が弱ることも多く、開閉頻度の高い玄関では消耗が早まります。開け閉めの引っかかりが増えてきたら、壊れて動かなくなる前に点検と見積もりを済ませておくと、慌てずに済みます。

虫が増え始める初夏は修理依頼が集中し、予約が取りにくくなる傾向があります。春先や秋口など需要の落ち着く時期に点検と修理を済ませておくと、日程の融通も利きやすくなります。

アコーディオン網戸の張り替え費用を賢く抑えるには

アコーディオン網戸は、普通の網戸と違って網だけの張り替えが基本的にできず、業者修理なら25,000〜55,000円前後、本体交換なら本体1万円前後からと、対処ごとに費用の桁が変わります。だからこそ、症状の見極めが節約の第一歩になります。

小さな穴は補修シートで応急処置、汚れによる不調は掃除で解消、部品や本体に及ぶ故障は複数の見積もりを比較。この順番で切り分ければ、払わなくていいお金を払わずに済みます。修理費が本体交換に近いなら思い切って交換するのが、長い目で見たときの正解です。

網交換タイプならメーカー純正ネット、こだわりがなければ別タイプへの切り替えと、選択肢は意外と豊富にあります。わが家の網戸の品番と症状を把握したうえで、納得のいく方法でアコーディオン網戸の張り替え費用と向き合ってみてください。

紹介した金額はあくまで一般的な目安で、実際の費用はサイズや症状、地域の相場によって上下します。最終判断の前には、現物を見てもらったうえでの見積もりを取り、内訳まで確認してから比較することを強くおすすめします。